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Little me

本、映画、ドラマ。感じたことをそのままに。

魔女は悪役でも魔女になりたかった -"The Witches", Roald Dahl/「魔女がいっぱい」

books

 ロアルド・ダールの著作を続けて読んだ。  

The Witches

The Witches

 

この世の中、ほんとうは魔女がいっぱいいるんだ。ある日、魔女の集会をのぞき見たぼくは、運悪く見つかってつかまっちゃった! 魔女にネズミにされた少年が、おばあちゃんと力をあわせ、魔女に闘いを挑む奇想天外な物語。(Amazon商品の説明より)

 魔女の描き方が本当におどろおどろしくて、大人になった今でも夜ベッドの中で一人読んでいると背中がひんやりする。ウィッグで隠したつるりと髪のない坊主頭、つま先のない四角い足、鈎針詰めのとがった指先…。一倍恐ろしい魔女の親玉は、顔は溶けたようにただれていて、原書だと英語の話し方に特徴があり、恐らく東欧の女性をイメージしている。この女性蔑視とも捉えかねない徹底的な描写や、残酷すぎる魔女の仕打ちを見ていると、児童書とは思えない。さすがロアルド・ダール…。

主人公の男の子の機転の良さや、おばあちゃんのチャーミングさが救いで、話の終わりは前向きだ。たった二人で世界へ冒険に出ようとウキウキして終わるところなんて、読んでいてとても楽しい。

と、話の中心はもちろんこの2人で、魔女は悪役なのだ。だが思い返してみると、私の小学校の時の将来の夢はなんと"魔女"だった。

何でだろう…魔女ものの小説や漫画をたくさん読んでいた気がする。小さい魔女オズの魔法使い魔女の宅急便ときめきトゥナイト赤ずきんチャチャ…。とにかく自由に空を飛んだり、魔法をかけたり、今の自分には絶対できないことをなしえる万能感がものすごくかっこよかったのだ。物語の中では、良い魔女、悪い魔女まざっているが、そのどっちだっていい、魔女になれるなら悪者でもいいっ!と息まいていた。

その非現時的な将来の夢は途中で絶たれることになる。母にこう諭されたのだ。「女はね、年とればみんな魔女みたいになるから、目指す必要ないよ」と…。真意は謎だが、たぶん嫌われることをものともせず逞しく、人の心をうまーく操る器用さを身につけていくんだよ、と言いたかったのだろう、と今となっては察している。こんなこと夢見る小学生に言う母も魔女だよな、まあ実際自分もその姿に近づいてきているからあながち間違いじゃないよなあ。

でも、やっぱり今でも、ホウキで空を飛んでふらっと知らない街に住んでみたりしたい。