Little me

本、映画、ドラマ。感じたことをそのままに。

サードプレイス×メンター -"Finding Forrester"/「小説家を見つけたら」

サードプレイスという言葉がスターバックスが流行り始めたときに出てきた。家でも、職場でも、学校でもない場所。役割を持たない自分に返れる場所。この映画における小説家フォレスターは少年ジャマールにそんな場所を作ってくれた。

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高校生のジャマールは、処女作にしてピューリッツァー賞を受賞しながらも、その後消息を絶った伝説の大作家フォレスターと知り合う。フォレスターはジャマールの文才を認め、自分のことを秘密にするという条件で、彼の文筆指導を始めていく…。(Amazon商品紹介より)

中学や高校のときに、斜めの存在で生き様を見せてくれる人がいたら良かったなあ。家と学校と往復で、もちろん親や先生、友達が今の私を育ててくれたことには違いないが、多感な時期の閉塞感を打破するにはそれとは別の人と場所が必要だった気がする。フォレスターにがメンターとなる一方で、彼にとってもジャマールとの出会いが人生のブレークスルーになったように、一方的に指導し指導されるのではない関係が理想的だ。ニュー・シネマ・パラダイスでのトトとアルフレードもそうだった。

当時は結局、意識していた訳ではないが、本の世界が自分のサードプレイスになっていた。通学の満員電車や寝る前のベッド、駅のデパートにある川の見えるベンチで少しずつ割く時間が、毎日を彩ってくれた。夏目漱石、三浦綾子、灰谷健次郎、向田邦子、よしもとばなな…好きな作家を挙げようと思うときりがない。人に見せない自分の寂しい部分に気づかされ、弱い者によりそう優しさを教えられ、つねに一歩外に踏み出しながら自分を労わる大切さを学んだ。そういう存在であったから、映画や本に触れたときに作品として評価するのではなく、自分の体験におきかえて感じようとする癖がついた。

そして育児中の今もなお、映画や本があるからバランスが保てている。好きなことはコツコツと続けたほうがいいとよく聞くが、それは私にとっては隙間時間に細切れであっても映画と本に浸り続けることだろうな、と思う。